今回は、ママ友のSさんの体験談をご紹介しようと思います。

 

男性経験に乏しく、性についても淡泊だった私を変えたのは夫です。

 

夫と付き合い始めるまでの私にとってセックスは、“あってもなくてもどちらでもよい”程度のものでした。特に気持ち良いとも思わなかったし、相手の男性に気を使って感じているふりをするのは疲れます。

 

ただ、初めて夫に抱かれたときに、「ん?」と思い、2度目のときには「なに、これ?」という感覚が残りました。そして3度目に確信したのです。肌が合うとは、こういうことなのか、と。

 

夫は夫で、性に未熟だった私が、体を重ねるたびに乱れていく様子を見るのが、嬉しくて仕方ないようでした。

 

もともと夫は体力があり性欲も強いタイプ。そのうえ女性経験も豊富です。

 

結婚するころには、夫に口づけられるだけで、子宮のあたりに痛みを覚えるくらいに、私の体は変わっていました。

 

結婚してからも、週に二度は必ずと言ってよいほど、夫から求められましたし、私からも求めました。

 

私が妊娠して、子どもが産まれてからしばらくは、嵐のように毎日が過ぎていき、さすがにセックスの回数は減りました。

 

ただ、何人かの友達の話を聞いていると、やはり夫との夜の営みは、普通の夫婦に比べると多かったようです。

 

私は、母親としても女としても、満ち足りた生活を送っていました。

 

そんな夫との関係に初めて変化を感じたのは、結婚して7年目、夫がちょうど40歳を迎えた頃です。

 

深夜、同じ部屋で寝ている子どもを起さないように、私は声を押し殺して、夫からの愛撫を受けていました。その時、突然夫の手が止まったのです。

 

子どもが目を覚ましたのだろうか、と私は慌てましたが、そうではありませんでした。
ふと見ると、夫のからだに異変が。このまま続けられるような状態ではなくなっていたのです。

 

私はとっさに“夫を傷つけるような事を言ってはいけない”と思いました。

 

「たまにはこんな事もあるよね」と努めて明るく言い、そっと夫から離れました。

 

さすがの夫も40歳を過ぎて、多少衰えてきたのかな、と内心思いましたが、私はあまり深く考えないようにしていました。私が気にすると、ますます夫は気にするだろうと思ったのです。

 

しかし、夫が途中で萎えてしまうことが、5回に1回になり、3回に1回になり、数カ月後には2回に1回になると、のんびり構えていた私も「夫がこのままEDになったらどうしよう」と不安を覚えるようになりました。

 

さらに私を不安にさせたことが、もうひとつあります。

 

今の夫にとって、私とのセックスはただの性欲の処理なのではないか、と感じるようになったのです。なぜ、そんなことを思うのか、自分でもよく分かりませんでした。

 

その後、夫の仕事が急に忙しくなり、帰りが遅い日が続きました。週末も仕事が入り、家を空ける事が増え、ふと気が付くと、もう1ヶ月以上も夫とは触れ合っていません。

 

夫婦の間はぎくしゃくし始め、私の悩みはセックスレスだけではなく、夫との関係にまで広がっていきました。

 

ゆううつな毎日が続き、その年もいよいよ終わりに近づいたある日のことです。

 

仕事から帰ってきた夫は、入浴していました。私は玄関に置きっぱなしになっていた、夫の仕事鞄を片付けようとして、鞄のファスナーが空いている事に気付きました。何気なく中を覗き込んだわたしの目に飛び込んできたものは、見慣れないコンドームでした。

 

やけに豪華な金色のパッケージ。いつも使っている3パック1000円のものとは、明らかに違うその避妊具を見たとき、私の頭のなかでばらばらになっていたパズルが、一気に完成しました。

 

その後、初めて夫の携帯を盗み見て、私の疑いは確信に変わりました。

 

考えてもみなかった夫の浮気。

 

夫が私に欲情しなくなったのは、EDなどではなく、浮気相手の女性に心を奪われていたからだ、と分かったときの屈辱感や絶望感は、言葉にはできません。

 

夫は、私に頭を下げて謝りました。浮気相手とは別れるから、やり直して欲しい、と。

 

散々悩んだ結果、私は夫を許すことにしました。子どもは夫に懐いていましたし、私自身、夫のいない人生は考えられませんでした。

 

許すと決めたからには、今後一切浮気のことは口に出すまいと心に誓いました。そして、もし夫から求められたら、拒絶せずに受け入れようと決心したのです。

 

さすがにしばらくは、夫から誘われることはありませんでした。しかし、3カ月ほど経ったある夜、先に休んでいた私のベッドに、夫がもぐりこんできました。

 

「とうとうきたな」と私は覚悟を決めました。黙って夫のするままに任せていたのですが、首筋に夫の唇が当たった時に、鳥肌が立ちました。快感などではありません。

 

そして、私のネグリジェのボタンに、夫が手をかけたとき、とうとう我慢のできなくなった私は、夫をはねのけトイレに飛び込みました。

 

青い顔をして寝室に戻った私を見て、夫は一言「ごめん」と言い、その日から私に触れようとしなくなりました。あれからもう半年が経ちます。

 

口では許すと言いながら、私は決して夫を許してはいなかったのです。夫にも私の気持ちは十分過ぎるほど伝わったようです。

 

私たちは、このままずっとセックスレス夫婦として過ごさなければならないのか、欲求不満になった夫がまた浮気をするのではないか、と不安にさいなまれる毎日です。

 

離婚しない、という私の決断は間違っていたのでしょうか。まだ答えは出ません。